創世記1日目
神様を作りたい。 なんて言ったら烏滸がましいのは百も承知だけど、別に世界をコントロールしたいわけじゃない。 毎日懲りずに寄り付きと大引けに株価をチェックしている様がある時ふと神様を拝んでいるように思えた。ある人は歓喜し、ある人は悲嘆する。まさに神様そのものではないか、と。 しかし、別段それを神格化したり、何か高尚なことをやりたいわけではない。ただ私は自分に都合のいい神様を作りたくなっただけだ。 素直な胸中を吐露すれば、私はただの面倒臭がりである。毎日株価や景気動向指数をチェックできるほど、誠な人間ではない自覚がある。 要するにそれをアウトソーシングしたい。株価をチェックして地場の荒れ具合を判断して、自動でポートフォリオを組んでくれるような、全てを見渡す目を持った、自分だけの神様。 AIというほど高度な話でもない。ただのアルゴリズムで、プログラムの集合体だ。 ならば神様なんて大層な物言いしなくていいのではないか。 それは前述した通り。毎日拝むものなのだから、神様と称して差し支えあるまい。 これは、神様を作り成長させていく過程について記した航海日誌のような軌跡の記録である。